
持続可能のための工業ガスの保安とメンテ【2022年3月11日発刊】
¥5,500円(税込)
A4版56ページ
発刊日:2022年3月11日
産業ガス安全技術
産業ガス事業を展開する上で欠かすことのできない保安に焦点を当てたビジネス書
容器再検査、プラントメンテナンスの実施事業者をはじめと保安関連企業、機器、技術を紹介するとともに保安・メンテナンスの今日的課題と対応を掲載。
特集1
専業再検査会社の専門力
容器再検査委託ニーズ急増投資進める容器再検査専業メーカー
国内で1500万本程度流通していると言われる高圧ガス容器。
シームレス容器から溶接容器、FRP容器や超低温容器、長尺容器など種類は多く、シリンダービジネスには欠かせない事業インフラである。
1MPa以上の高圧で充填される高圧ガス容器は、法令で定められた一定期間を経過すると再検査が義務付けられ、合格したものだけが再び高圧ガスを充填することができる。
再検査は高圧ガス容器の安全性を担保するための重要なプロセスであるとともにシリンダー事業者にとって事業インフラを継続して使い続けるためにも重要なプロセスといえる。
これまでは充填所の一角で実施されることも少なくなかった容器再検査であるが、作業員の高齢化や設備の老朽化、検査頻度の減少などから現在では再検査専業メーカーへ委託するケースが増えてきているという。
一般高圧ガス容器の再検査受託の市場規模は少なくても40億円(本誌推定)を超える市場になっているとみられる。保安ビジネスの最前線として、容器再検査にスポットを当てる。
特集2
持続可能なガス事業のためのメンテナンス
工業ガス企業のメンテナンスとは
ケーススタディ:大陽日酸エンジニアリング、岩谷瓦斯、巴商会、エア・ウォーター
特集3
産業用ガス検知警報器市場Interview
産業の安全の礎としてのガス検知警報器
産業用ガス検知警報器工業会 理事長 北川 不二男 氏(光明理化学工業 代表取締役社長)産業の保安・安全に欠かせないのが、ガスの漏洩などを検知する産業用ガス検知警報器(以下、ガス検知器)である。
ガス検知器は、製造ラインからの可燃性や毒性ガスなどの漏洩を検知し、あるいは作業現場での酸欠や一酸化炭素、硫化水素などの発生状況を検知し、事故や危険を未然に防ぐ役割を果たす。
特集4
防疫としてのガス利用
鳥インフル・豚熱多発で重要度増す防疫用液化炭酸ガス、サイフォン管付き容器の調達が課題
冬場になると世間を騒がせる鳥インフルエンザの防疫措置には液化炭酸ガスが使用される。最近では全国各地で事例が続発、その重要度がますます高まっている。
農林水産省の発表によると、昨シーズン(20年11月~21年3月)、家禽では18県で52事例が発生、殺処分羽数は987万羽にのぼった。
10~11年シーズンの183万羽を大幅に上回る過去最大規模だった。今シーズンも21年11月の秋田を皮切りに年内だけで8県9例が確認され、47万羽弱が殺処分されている。
溶接現場の保安
溶接ヒューム、特化則に追加
2021年4月1日、金属アーク溶接等作業時に発生する溶接ヒュームが、新たに特定化学物質(第2類物質)に指定され、特定化学物質障害予防規則、通称「特化則」の規制対象に追加された。
溶接ヒュームとは、金属アーク溶接時に、アークの高温によって溶融した金属が気体となって発散、その金属蒸気が空気中で冷却・凝固し固体となった状態を指す。
粒子径1㎛以下の微粒子であり、適切に対処しないと、呼吸時に体内に入り込んでしまう可能性がある。
その為、溶接作業者が長年曝露されると、肺に蓄積された溶接ヒュームによって肺組織が線維化、いわゆる「じん肺」を引き起こす他、ヒュームに含まれる塩基性酸化マンガンによって、マンガン中毒を発症するおそれもある。