ガスレビュー
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No.937 2020年06月01日

市場分析
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アルゴンがレアガスになる日

先細る鉄鋼ソース、供給タイト化進む

現在、アルゴンは供給タイト化に陥っている。最大の要因は、日本の鉄鋼不況に、新型コロナウイルス(COVID‐19)が加わりダブルパンチとなった。粗鋼生産稼働率が低下、酸素パイピング需要が減少、副生されるアルゴン生産量が低下しているのだ。
 そうした直近の事象だけでなく、大手粗鋼メーカーである日本製鉄やJFEスチールは高炉を始めとする工場の統廃合を断行することを明らかにしており、中長期的に見て鉄鋼のアルゴン供給力は減少していくことが避けられないのである。
 現状、アルゴン生産能力は約7割を鉄鋼系ソースに依存、他の化学や液プラントでは、それを補うことは全くできない。アルゴンは酸素のおまけであり、酸素ガスプラント能力が10万㎥/h以上で大量に作ることが可能なのだ。そうした大型酸素プラントが減少していくことは大きな打撃である。冗談ではなく近く「アルゴンがレアガスになる日」が来るかもしれないのである。

No.937号(2020年06月01日号)

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