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Beyond Semiconductor

PROトロン

止まらぬエレクトロニクスの上昇気流

・巻頭特集エレクトロニクスの行く末を刮目せよ
 「トータルエレクトロニクスがHD成長の推進役を果たす」
・MOFアプリケーション アトミス、MOFを使った小型軽量容器でガス物流の課題解決に挑戦
・フロンティアレポート脱炭素フライトへ導くプッシュバック
 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
 分離膜で大気から直接CO2回収する技術『ダイレクト・エア・キャプチャー』開発

  • A4版76頁
  • 2021年6月30日
  • 6,600円(送料・税込)
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巻頭特集

止まらぬエレクトロニクスの上昇気流

序説「差異と反復」の中で半導体は永遠に栄える

そしてガスと機器は新たな市場拡大の時を迎えた

半導体市場は、コロナウイルスまで踏み台にして成長を続けている。20年以降テレワーク、オンライン教育、オンライン資料、動画配信サービス、オンラインゲームなどが急速に我々の生活、職場等に普及した。それ以前からIoT、AI、5Gなどによってデータ社会への移行が叫ばれていたが、コロナ感染を恐れ移動できないことが日常化し半導体の需要は爆発した。そしてエレクトロニクス分野に使われるガスや関連機器の市場も同様に新たな階段に上った。半導体製造ラインの前工程から後工程まで、ガス・機器の応用が拓かれようとしているのだ。かつてガスとは無縁であった、露光や洗浄の工程に炭酸ガスや水素が、そして後工程にもエッチングガスが使われるようになった。

巻頭特集

巻頭特集エレクトロニクスの行く末を刮目せよ

「トータルエレクトロニクスがHD成長の推進役を果たす」

濱田敏彦 日本酸素ホールディングス代表取締役社長CEO

昨年10月1日、日本酸素ホールディングス(以下:日本酸素HD)設立という大きな組織改革を行い、産ガス事業においては世界市場を日本、北米、欧州、アジア・オセアニアの4地域に分類、地域に密着した事業展開を行う体制を整備した。前中期経営計画では、今後高い成長が期待されるエレクトロニクス市場に対して特殊材料ガス、バルクガス、機器・エンジニアリングの技術や製品開発について地域を超えて連携していく「トータルエレクトロニクス」(以下、TE)というコンセプトを掲げた。その大きな機能の一つがストラテジックアカウントマネジメント(SAM)である。各事業会社と情報を共有して半導体のビッグユーザーと、一つのグループとしての円滑なコミュニケーションを進め、戦略的な取り組みを加速するのである。

MOFアプリケーション

アトミス

MOFを使った小型軽量容器でガス物流の課題解決に挑戦

京都大学発のベンチャー企業、アトミス(浅利大介社長)は多孔性配位高分子(MOF)を使った新たな高圧ガス容器を2018年に開発した。同容器は47ℓ鋼製シームレス容器と比べ5割程度重量を削減出来るという。重労働で配送員不足が課題だったシリンダー配送の業務環境を改善出来る可能性がある。加えて同社はシリンダー配送の付加価値を高めるため、IoTを利用した位置情報、遠隔での残量監視の技術実証を21年6月から行う予定だ。

フロンティアレポート脱炭素フライトへ導くプッシュバック

九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所

分離膜で大気から直接CO2回収する技術『ダイレクト・エア・キャプチャー』開発

九州大学のエネルギー研究拠点、カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の藤川茂紀教授は、同教授も所属し高機能分離膜開発を手掛けるベンチャーのナノメンブレン(福岡県福岡市、國武豊喜代表取締役)と共同で、独自のナノ膜技術をベースに、大気中からCO2を直接回収する技術『ダイレクト・エア・キャプチャー(Direct Air Capture、以下DAC)』に用いることができる分離ナノ膜を開発している。彼らが2021年に報告した検討結果によると、分離膜のCO2透過性を向上させれば、回収CO2ガス濃度を40%以上濃縮できるという。また希薄なCO2混合ガスからのCO2膜分離を実現しており、膜によるDACの成果としては世界初であるとする。なお、火力発電所や製鉄所などの大規模施設から排出されるCO2を回収・貯留する技術〝CCS:Carbon Capture and Storage)〟とは区別される。

2020年ガス&機器マーケット動向

コロナ禍でも好調推移の20年特殊材料ガスマーケット

注目される、ガスメーカー各社の現地生産投資

新型コロナウイルスがその猛威を振るった2020年の半導体向け特殊材料ガス市場は、総じて「例年と変わらず好調」だったと言ってもよい結果となった。
 本誌が参照している、日本産業・医療ガス協会(JIMGA)による国内販売実績の年次統計を見ても、ほぼ全てのガス種において前年越えを達成しており、マイナスとなったガスもほぼ横ばいと言える状況にある。無論、そもそも19年の特殊材料ガス市場が、上期より同年末まで尾を引いたメモリ不況の煽りを受ける事で、例年よりもマイナス推移を示していた、という事を考慮すれば、20年の結果は「復調」「回復」といった表現が正確かもしれない。だがこれは換言すれば、コロナ禍によって様々な産業が手痛い打撃を受ける中においても、エレクトロニクス産業はその余波を最小限に留める事が出来た、という事でもある。むしろ、リモートワーク対応で整備が進められたノートパソコンや、いわゆる〝巣籠もり需要〟により需要が喚起された大型テレビなど、コロナ禍特需が最も多く発生した業界の一つだった。

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