ガスレビュー
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No.874 2017年10月15日

レギュレーション
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中国環境・危険物規制強化で揺れる特殊材料ガス市場

中国の深刻な公害問題に加えて2015年に起きた天津爆発事故により、環境及び危険物に対する規制が強化されているが、それが思わぬ形で日本まで影響している。
ひとつは弗酸(HF)価格の高騰である。弗酸は蛍石(フッ化カルシウム)から作られ、冷媒用フルオロカーボンやドライエッチング用ガスの出発原料である。蛍石は中国が生産量の6割以上を占めている。かつては蛍石の輸出を認めていたが、日本メーカーも含めて中国国内で弗酸にしてからでなければ海外持出を認めなくなった。
弗酸は次の化学式で製造される。硫酸と反応して、弗酸と硫酸カルシウムが出来る。
CaF2+H2SO4→2HF+CaSO2
硫酸カルシウムは塩であり、水にも溶けにくく危険物ではない。しかしフッ化カルシウムは硫酸と100%反応するわけではなく未反応の硫酸もでる。強酸の硫酸を中和するには苛性ソーダなどを使わなければならない。しかし、中小零細の中国の弗酸メーカーは処理コスト負担を嫌がり処理をせず、河川へ放出するケースが多かったようだ。垂れ流しである。

No.874号(2017年10月15日号)

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